2014年度(第38回)
教育研修費用の実態調査


update:2014.10.30

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2014年度(第38回)教育研修費用の実態調査」を実施しました。本調査は1976(昭和51)年より実施しており、今回で38回目となります。

 

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2014年度(第38回) 教育研修費用の実態調査
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調査結果のポイント

調査回答企業における2013年度と2014年度の予算額を比べると、規模・業種を問わず増加の企業が過半数を超えており、教育投資に明るいきざしが現れてきているようだ。
また、今回は13年ぶりに「社内講師の有無と社内講師手当の支給状況」について調査した。4社に3社(74.8%)が社内講師がいるとしたが、手当を支給するとした企業は12.6%にとどまっている。

(1)教育研修費用総額と従業員1人当たりの教育研修費用

  • 2013年度の教育研修費用総額の実績額は4,566万円で前年より220万円減少。2014年度予算額は5,741万円で微増。
  • 従業員1人当たりの教育研修費用の2013年度実績額は32,010円、2014年度予算額は40,684円で、ともに前年調査を下回った。

(2)教育研修予算の増減状況

  • 教育研修予算が対前年度比で増加した企業が過半数(55.0%)となるなど、教育投資意欲は高まりつつある。
  • 予算が増加するとした企業の平均増加率は28.7%。一方、減少するとした企業の平均減少率は11.4%。

(3)各種教育研修の実施状況

  • 「階層別研修」で実施率が高いものは、「新入社員研修」(93.5%)、「新入社員フォロー教育」(77.2%)など、新人対象のものが多い。
  • 「職種別・目的別研修」では、「OJT指導員教育」(43.9%)が最も高い。

(4)社内講師に対する手当の支給状況

  • 社内講師が「いる」企業は74.8%、「いない」企業は25.2%で、前回調査(2001年度)と大きくは変わらず。
  • 社内講師に、「何らかの手当(金銭的報酬)を支給している」企業は12.6%で、大企業でも15.4%にとどまる。

 

調査要領

【調査名】 「2014年度(第38回) 教育研修費用の実態調査」
【調査対象】当社会員企業から任意に抽出した2,964社
【調査時期】2014年7月
【調査方法】郵送によるアンケート方式
【集計対象】締切日までに回答のあった128社について集計
【留意点】 調査項目ごとに無回答があるため、それを除いて集計した。
      そのため、各表で集計者数は異なっていることに留意されたい。

グラフ

 

用語の定義について

本調査でいう「教育研修費用(総額)」とは、次に掲げる各費用の合計額である。
[1]正社員を対象とした自社主催研修の会場費・宿泊費・飲食費
[2]外部講師費
[3]教材費
[4]外部教育機関への研修委託費およびセミナー・講座参加費
[5]eラーニング・通信教育受講費
[6]公的資格取得援助費
[7]研修受講者・社内講師の日当・手当・交通費
[8]事務局費
[9]その他これら以外の教育研修に必要な費用
   (ただし、研修受講者・教育スタッフの人件費は含まない)。

ちなみに、厚生労働省が実施する「能力開発基本調査(企業調査)」では「教育訓練に支出した労働者1人当たり平均額」として、「Off-JTに支出した費用の1人当たり額」と「自己啓発支援に支出した費用の1人当たり額」が算出されており、2013年度調査はそれぞれ1.3万円、0.5万円となっている。

 

調査結果の概要

(1)教育研修費用総額と従業員1人当たりの教育研修費用

教育研修費用総額

1社当たりの教育研修費用総額は、2013年度の予算額5,410万円(前回調査なし)、同実績額4,566万円(前回調査4,786万円)、2014年度予算額5,741万円(同5,699万円)である。調査対象が異なるため前回調査との厳密な比較はできないが、実績額では220万円減少している。
2013年度実績額を規模別にみると、1,000人以上企業が7,721万円、999人以下企業が1,411万円となっており、規模による差が大きい。業種別にみると、製造業4,787万円、非製造業4,394万円で、製造業が若干上回った(図表1)。

従業員1人当たりの教育研修費用

従業員1人当たりの教育研修費用は、2013年度の予算額38,337円(前回調査なし)、同実績額32,010円(同36,054円)、2014年度予算額40,684円(同42,462円)で、どちらも前回調査を下回った(図表1)。

図表1 教育研修費用総額と従業員1人当たりの額(実績と予算)

グラフ

(注) 1. 2013年度予算/実績と2014年度予算のすべてに回答があった企業について集計。ただし、総額が10億円以上および従業員1人当たりの額が
      3,000円以下と20万円以上の企業を除く。
    2. 本社のみあるいは事業所単位での回答企業については、その従業員の規模として集計。以下同じ。
    3. 「実績対予算の倍率」は、「2014年度予算÷2013年度実績」で算出。[ ]内は前回の倍率。
    4. 無回答は集計から除いているため、以下の各表で集計社数が異なることがある。

 

(2)教育研修予算の増減状況

今回の調査から、前年度(2013年度)予算と当年度(2014年度)予算の両方について聞いている。2014年度予算の対前年度の状況をみると、予算が増加した企業は55.0%、減少した企業は34.6%、増減なしの企業は10.3%となっている。予算を上乗せした企業がいずれの区分でも過半数となるなど、教育投資意欲が高まってきつつある傾向がみてとれる(図表2)。
予算が増加すると回答した企業の平均増加率は28.7%で、増加率の分布をみると、「20~40%未満」が3割弱(27.1%)で最も多い。一方、減少するとした企業の平均減少率は11.4%で、減少率は「5%未満」(35.1%)と「5~10%未満」(29.7%)が中心と比較的小幅だった(図表3)。

図表2 教育研修費用の対前年度の増減状況

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(注) 1. 2013年度予算/実績と2014年度予算のすべてに回答があった企業のみで集計。図表3も同じ。
    2. 今回調査の教育研修費用総額における2013年度予算と2014年度予算の比較である。

図表3 教育予算の対前年度の増加・減少率(2013年度予算と2014年度予算の比較)の分布

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(注) 1. 増加・減少率=[2014年度予算−2013年度予算]÷[2013年度予算]× 100。
    2. 図表2において、「増加」、または「減少」と回答した企業の予算増減率について分布をみたものである。

 

(3)各種教育研修の実施状況

2014年度の予算で実施する予定の教育研修についてみると、階層別研修で実施率の高いものとしては「新入社員教育」が93.5%で最多。その他にも、「新入社員フォロー教育」77.2%、「内定者教育」57.7%など、新人対象のものが目立つ(図表4、複数回答)。
次に、職種別・目的別教育についてみると、実施率が4割を超えるものとしては、「OJT指導員教育」43.9%、「選抜型幹部候補者教育」および「コミュニケーションスキル教育」がともに40.7%となっている(図表5、複数回答)。

図表4 2014年度に実施する階層別教育(複数回答)

グラフ

図表5 2014年度に実施する職種・目的別教育(上位・複数回答)

グラフ

 

(4)社内講師に対する手当の支給状況

「研修内製化」の取り組みに注目が集まるなか、今回は2001年度以来13年ぶりに、社内講師に対する手当の支給状況についても調査した。
社内講師が「いる」企業は74.8%で、「いない」企業は25.2%であった。前回調査から10年以上が経過しているが、割合は大きくは変わっていない。社内講師が「いる」割合を規模別にみると、大企業では86.7%、中堅中小企業では64.2%となっている。
次に、社内講師手当の支給状況についてみると、「何らかの手当(金銭的報酬)を支給している」企業は12.6%で、社内講師がいる企業95社のうち12社であった。前回調査の5.6%(5社)よりは多いが、大企業でも15.4%にとどまるなど、社内講師役を担う従業員に対し、金銭的報酬によって応えようと考える企業は少数派といえる(図表6)。

図表6 社内講師の有無と社内講師手当の支給状況

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(注) 1. 前回2001年度調査では、「社内講師の有無」および「講師料の支給状況」に加えて「講師に対する日当の支給状況」(63.3%・53社)も調査して
      いる。
    2. 「社内講師手当を支給している」の内訳は、「手当として支給」4社、「出張旅費規程上の日当に上乗せして支給」1社のほか、「その他」として、
      「クオカードで支給」2社、「所定労働時間外の場合は残業代と同額を支給」2社、「一部職種により付与」、「休日研修のみ支給」、
      「社内でのポイントを付与」

 

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※ 詳細データは 「企業と人材」2014年10月号(No.1020)にて掲載しています。

 

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