2012年度 教育研修費用の実態調査

人事

教育研修費用の実態調査
掲載している雑誌:企業と人材

民間のシンクタンク機関である産労総合研究所(東京都千代田区、代表 平盛之)が発行する定期刊行誌「企業と人材」(編集長 伊関久美子)は、1976年以来、ほぼ毎年「教育研修費用の実態調査」を行っており、先頃、2012年度調査(第36回)の結果がまとまった。

 

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調査結果のポイント

(1)従業員1人当たりの教育研修費用

  • 2011年度の実績額は1人当たり3万2,034円
  • 約半数が「1~3万円未満」に分布

(2)教育研修費用(総額)の今後の方向性

  • 教育投資の見通しについて、4割が「今後は増加」、5割が「現状維持」

(3)各種教育研修の実施状況と重点課題

  • 階層別研修では新入社員教育、初級・中級管理者教育などが実施率6割以上に
  • 職種・目的別研修では営業社員・販売員教育が4割強に

(4)研修内製化に対する取組み状況

  • 4社に3社が研修内製化に取り組む
  • 内製化の効果は「経費削減」のほか、「社内人材の有効活用」「自社ニーズに対応」なども

 

調査要領

【調査対象】「企業と人材」誌読者から任意抽出した3,436社
【調査時期】2012年7月
【集計対象】締切日までに回答のあった109社

グラフ

 

用語の定義について

本調査でいう「教育研修費用(総額)」とは、次に掲げる各費用の合計額である。
[1]正社員を対象とした自社主催研修の会場費・宿泊費・飲食費
[2]外部講師費
[3]教材費
[4]外部教育機関への研修委託費およびセミナー・講座参加費
[5]eラーニング・通信教育受講費
[6]公的資格取得援助費
[7]研修受講者・社内講師の日当・手当・交通費
[8]事務局費
[9]その他これら以外の教育研修に必要な費用
   (ただし、研修受講者・教育スタッフの人件費は含まない)。

ちなみに、厚労省が実施する能力開発基本調査(企業調査)では「教育訓練に支出した労働者1人当たり平均額」として、「OFF-JTに支出した費用の1人当たり額」と「自己啓発支援に支出した費用の1人当たり額」が公表されており、平成23年度調査はそれぞれ1.5万円、0.6万円となっている。

 

調査結果の概要

(1)従業員1人当たりの教育研修費用

2011年度の実績額は1人当たり3万2,034円。約半数が「1~3万円未満」に分布

2011年度の従業員1人当たり教育研修費用の平均額は、調査計で32,034円、1,000人以上の企業で43,063円、999人以下の企業で25,842円であった。いずれも前年度実績額を下回っており、減少幅はそれぞれ4,763円(-12.9%)、2,616円(-5.7%)、4,890円(-15.9%)となっている(図表1)。

1人当たり額の分布状況をみると、いずれの区分でも「1~3万円未満」が最多となっており、調査計で48.3%、1,000人以上企業で37.5%、999人以下企業で54.4%であった。
(図表2)。

図表1 教育研修費用総額と従業員1人当たりの額(2011年度実績および2012年度予算)

グラフ

図表2 従業員1人当たりの教育研修費用の分布(2011年度実績)

グラフ

 

(2)教育研修費用(総額)の今後の方向性

教育投資の見通しについて、4割が「今後は増加」、5割が「現状維持」

教育研修費用(総額)について今後1~3年間の方向性をたずねると、「現状維持」が50.0%、「増加(かなり増加+やや増加)」40.5%、「減少(かなり減少+やや減少)」9.4%という結果であった。規模、業種を問わず同様の傾向にあるが、とくに999人以下企業で「増加」の割合が高くなっている。
今回の調査結果によれば、企業の教育投資は、現状では抑制傾向にあるものの、今後は増加する見通しといえよう(図表3)。

図表3 教育研修費用の今後の方向性

グラフ

 

(3)各種教育研修の実施状況と重点課題

階層別研修では新入社員教育、初級・中級管理者教育などが実施率6割以上に職種・目的別研修では営業社員・販売員教育が4割強に

次に、2012年度の教育研修の実施状況について。主な研修プログラムの実施率をみると、階層別研修では「新入社員教育」が84.6%と従来どおり高い割合を示し、これに「初級管理者教育」、「中級管理者教育」などが続く。また、職種・目的別研修では、「営業社員・販売員教育」が44.2%で最多となった(図表4、複数回答)。

図表4 2012年度予算による教育研修の実施状況(複数回答)

グラフ

図表5 とくに重点的に実施する教育研修(5つまでの複数回答)

グラフ

 

(4)研修内製化に対する取組み状況

4社に3社が研修内製化に取り組む。内製化の効果は「経費削減」のほか、「社内人材の有効活用」「自社ニーズに対応」なども

近年、企業内教育の現場では、外部に委託せず社内で研修を企画・実施する「研修の内製化」が大きな関心事となっている。単に経費削減のためだけではなく、技能伝承や「学習する組織」への風土づくり、コミュニケーション活性化といった効果を期待する面もあるという。
本調査で「内製化に取り組んでいる」と答えた企業は76.2%。1,000人以上企業では88.6%と、9割近くにもなる(図表6)。

内製化に取り組んでいるとした企業に、その効果についてたずねた結果が図表7である(複数回答)。最も多かったのはやはり「経費の削減」であったが、「社内人材の有効活用」、「自社固有の研修ニーズに対応」、「社内の技能等の伝承」といった項目も高い割合を示した。

図表6 「研修内製化」実施の有無

グラフ

図表7 研修内製化の効果(内製化に取り組んでいる=100、複数回答)

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※ 詳細データは「企業と人材」2012年10月号にて掲載しています。

 

本リリースに関する取材などのお問い合わせ

株式会社産労総合研究所「企業と人材」編集部   担当:伊関、堀之内、原
TEL 03(3237)1615  MAIL edt-e@sanro.co.jp


※上記電話番号はリリース発表当時のものです。お問い合わせは 03-5860-9795 にお願いします。

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