2017年度
決定初任給調査


update:2017.07.04

引上げ企業は前年度と同水準の34.6%
初任給相場は大学卒(一律)205,191円、高校卒(一律)165,628円

人事労務分野の情報機関である産労総合研究所(代表・平盛之)は、このたび「2017年度 決定初任給調査」を実施しました。本調査は1961(昭和36)年より毎年実施しています。

調査の結果、2017年度の決定初任給(2017年4月に確定した初任給)の水準は、大学卒(一律)で205,191円、高校卒(一律)で165,628円となり、全学歴で対前年比増となった。時系列でみると、短大事務、高校卒(一律)は、対前年増減率が高かった2008年に次ぐ伸び率となっており、高専卒においては上回っている。
「初任給を引き上げた」企業は、前年度の33.8%から0.8ポイント増の34.6%となった。引き上げた理由で最も回答が多かったのは、「人材を確保するため」52.9%、次いで「在籍者のベースアップがあったため」41.3%であった。

 

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2017年度 決定初任給調査
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主なポイント

(1)初任給の引上げ状況

  • 2017年4月入社者の初任給を「引き上げた」企業は34.6%(2016年度調査33.8%)、「据え置いた」企業は62.8%(同63.4%)。なお、「引き下げた」企業はなかった。
  • 初任給を引き上げた理由は、「人材を確保するため」52.9%、「在籍者のベースアップがあったため」41.3%、「初任給の据え置きが長く続いていたため」6.7%。

(2)初任給額の水準

  • 2017年度の学歴別の初任給額は右表のとおり。なお、大学卒と高校卒については、一律に初任給を決定している場合に加え、職種やコース(総合職と一般職、広域勤務と地域限定勤務など)で初任給額に格差を設けている場合は、各企業の「最も高い額」と「最も低い額」をたずねた。

(付帯調査)新入社員の夏季賞与

  • 新入社員に対して「何らかの夏季賞与を支給する」は89.4%、「支給しない」は5.6%。
  • 新入社員に対する夏季賞与の支払方法で最も多いのは「一定額(寸志等)」58.7%。
  • 支給額の平均は、大学卒で93,786円、高校卒で71,107円。

 

調査要領

全国1・2部上場企業と過去に本調査に回答のあった当社会員企業から任意に抽出した3,000社に対して、2017年4月に調査票を郵送で依頼し、301社の回答を得た。

【調査名】 「2017年度 決定初任給調査」
【調査機関】産労総合研究所
【調査対象】全国1・2部上場企業と過去に本調査に回答のあった当社会員企業から任意に抽出した3,000社
【調査時期】2017年4月~5月
【調査方法】郵送によるアンケート調査方式
【回答状況】締切日までに回答のあった301社について集計。集計企業の内訳は別表を参照
【留意点】 決定初任給とは、本採用後支払われる所定内賃金月額。通勤手当、時間外手当等は除く。
      前年比は、回答企業における2016年決定初任給との比較

図表

 

調査結果概要

(1)初任給の引上げ状況

[1]初任給の決定状況

2017年4月入社者の初任給を引き上げた企業は34.6%と、前年度の33.8%から0.8ポイント増となった。引き上げた企業の内訳をみると、全学歴を対象に引き上げた企業は76.9%、一部学歴を対象に引き上げた企業は22.1%であった。一方、据え置いた企業は62.8%で、前年度から0.6ポイント減、引き下げた企業はなかった。
企業規模別に引上げ企業の割合をみると、1,000人以上規模が51.9%、300~999人規模が31.6%、299人以下が26.0%と、規模が大きいほど割合が高い。
2014年以降、引上げ企業の割合は3割程度を推移しており、それ以前は1割程度であったことを考えると、ここ数年は初任給の引き上げが積極的に行われているといえる。

 

図表1 初任給の引き上げ状況

グラフ

 

[2]初任給改定の理由

初任給を引き上げた理由をみると、最も多かったのが「人材を確保するため」52.9%、次いで「在籍者のベースアップがあったため」41.3%。規模別でみると、「人材を確保するため」が300~999人企業で突出して高く、引き上げた理由の7割を占める。学生の大手企業志向が高まりをみせるなか、待遇改善の一つとして初任給を引き上げる中堅企業が増えていることが考えられる。
据え置いた理由をみると「現在の水準でも十分採用できるため」46.0%が最も高く、「在籍者のベースアップがなかったため」42.3%が続く(複数回答)。

 

図表2 引き上げた理由と据え置いた理由(複数回答)

グラフ

 

(2)初任給額の水準

2017年度の初任給額をみると、職種やコースによる格差がなく、一律に初任給を決定している企業の場合、大学卒は205,191円、高校卒は165,628円である。
今回の調査では、職種やコース(総合職と一般職、広域勤務と地域限定勤務など)で初任給額に格差を設けている場合、各企業の「最も高い額」と「最も低い額」をたずねている。大学卒の「最も高い額」は213,148円、「最も低い額」188,306円。高校卒では「最も高い額」178,157円、「最も低い額」162,662円である。

 

図表3 2017年度決定初任給

グラフ

 

新入社員の夏季賞与(2017年度決定初任給付帯調査)

89.4%が夏季賞与を支給
支給額は大学卒93,786円、高校卒71,107円

【新卒入社者の夏季賞与・一時金の支給状況と支給額】

4月入社の新卒入社者の場合、入社年度の夏季賞与の支給日には在籍しているものの、算定期間としてはわずかか、あるいは算定期間を過ぎた後の入社という場合が多い。そのなかで、何らかの形で夏季賞与を「支給する」企業は89.4%、「支給しない」5.6%となった。
「何らかの夏季賞与を支給する」企業の支給方法をみると、最も多いのは「一定額(寸志等)」の58.7%で、「在籍期間の日割り計算で支給」19.7%、「日割り以外の一定割合で支給」13.4%、「日割り+一定割合または一定額」1.5%と続く。
支給額の平均をみると、大学卒93,786円、高校卒71,107円となった。支給額の分布をみると、最も多く分布しているのが「5~10万円」(大学卒44.0%、高校卒50.7%)であった。

 

図表4 新卒入社者の夏季賞与・一時金の支給状況

グラフ

 

図表5 夏季賞与・一時金の支給金額(夏季賞与・一時金を支給する企業)

グラフ

 

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※詳細データは「賃金事情」2017年7月5日号に掲載しています。

 

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