多機能化する社員食堂の
実態に関する調査


update:2014.02.20

この記事は「人事実務」2013年3月号に掲載されました。

ロケーションや利用のしやすさを重視する最新社員食堂事情
顧客満足度を重視し,4割の企業が日々献立を入れ替える

福利厚生研究の第一人者・西久保浩二氏は、社員食堂には(1)栄養補給機能、(2)家計支援機能、(3)交流・コミュニケーション機能、(4)CSR機能次の4つの機能があるとしている。
当所では,数年おきに社員食堂に関する調査を実施しているが,今回の2012年調査では,こうした機能の詳細な実態と運営管理の実態について尋ねた。
フィジカルからメンタル面の健康にまで影響する「食」の重要性、そして食を通じてのコミュニケーション活性化の効果に、企業が着目し、取り組んでいる様子がうかがえる。

 

調査要領

【調査対象】当所の会員企業から一定の方法で抽出した企業約2,000社
【調査時期】2012年11~12月
【調査方法】郵送によるアンケート方式
【集計対象】締切日までに回答のあった259社。このうち社員食堂のある106社について,詳細を集計。

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調査結果のポイント

  • 【社員食堂の設置状況】
  • (1)設置率は4割,大企業は7割以上
  • (2)過去2・3年に大企業の4割が開設・改装
  • 【社員食堂の管理・運営】
  • (1)席数は喫食対象者の3割分
  • (2)設置場所はローケーション重視が6割
  • (3)委託・準委託が9割超,直営は6.6%
  • (4)支払いはカード方式と給与控除が4割前後
  • (5)半数以上の企業が社員以外に開放
  • (6)会議や行事,懇親会・パーティーなどに活用
  • (7)中堅企業以上ではカフェの併設が3~4割弱
  • 【社員食堂のメニュー管理】
  • (1)定食と麺類が主流,グラムバイキングも登場
  • (2)メニュー入れ替えは委託先や調理師・栄養士
  • (3)4割以上が日々献立を入れ替え
  • (4)メニュー広報は,デジタルとアナログを併用
  • 【社員食堂の昼食の単価と経費】
  • (1)昼食代はワンコイン以内(300~500円)
  • (2)社員食堂のない事業所との調整ありは3分の1
  • 【社員食堂の健康・栄養管理】
  • (1)3分の2(63.7%)がヘルシーメニューを提供
  • (2)約6割が食材の生産地・原産国に配慮
  • (3)4分の1が健康管理イベントに利用
  • 【社員食堂の環境対策等】
  • (1)8割(79.0%)が環境対策の取組みを実施
  • (2)9割が必要時以外の電気,ガス,水道の不使用を徹底
  • (3)ゴミ削減のため,過剰在庫防止,食材使い切り,売れ残り,食べ残しの防止,油の回収を実施
  • (4)水質汚濁防止策として,汚れの拭取り,無洗米の使用,非劇物洗剤,無リン洗剤の使用など
  • (5)7割の企業がコンテナを使用

 

調査結果の概要

(1) 給食時間帯以外の食堂ホールの利用状況

 給食時間帯以外の時間帯について,食堂ホールを何かに利用しているかどうかをみると,利用している企業が90.6%,利用していない企業が9.4%で,9割の企業は他の用途に用いており,スペースの有効利用を図っている(図1)。
 その利用目的をみると(複数回答),会社行事用として利用が55.2%,懇親会・パーティー用として利用が54.2%,休憩室として利用が44.8%,社内用の会議室として利用が38.5%などが比較的多く,商談用のスペースとして利用が21.9%,労働組合の行事用として利用が21.9%と2割台,ワークスペースとして利用が14.6%,クラブ・サークル活動用として利用が11.5%で1割台であった。
 ある程度の空間が確保されていることから,社員食堂が,会議や行事,あるいは懇親会・パーティーなど,情報交換やコミュニケーションづくりの場として活用されているようである。

図1 給食時間帯以外の食堂ホールの利用状況



(2) 社員食堂の併設施設

 打ち合わせや休憩のできるカフェ等を併設しているかどうかをみると,併設していない企業が61.3%と6割を超えているが,4割弱(38.7%)は,このような施設を併設している(図2)。
 具体的な施設としては(複数回答),カフェが27.4%,他社の社員などをもてなせるような個室が12.3%,バーが3.8%,その他が3.8%となっている。

図2 打合せや休憩のできるカフェ等の併設状況



(3) 社員食堂のない事業所との調整

 社員食堂のある事業所とない事業所のある回答企業について、両者の格差を是正するために何らかの手当てをしているかどうかをみると、手当てをしている企業が35.1%、していない企業が64.9%と3分の2近くの企業は調整をしていない(図3)。
 手当てをしている企業の具体的措置をみると、食事手当を支給している企業が多かった(73.9%)。

図3 社員食堂のない事業所と調整している企業割合



(4) ヘルシーメニューの提供状況

 ヘルシーメニューを提供しているかどうかをみると、ヘルシーメニューのある企業が63.7%、ない企業が36.3%で、3分の2に近い企業は、ヘルシーメニューを用意している。
 提供しているヘルシーメニューをみると(複数回答)、社員の健康を考えたメニューが89.2%、テーブルフォーツー(TFT(注)NPO法人テーブルフォーツーが提供するプログラム))のガイドラインに準じたメニューが23.1%、保健指導を受けている人向けのメニューが10.8%であった(図4)。

図4 ヘルシーメニューについて



(5) 社員食堂の環境対策

 (1)省エネ、(2)ゴミの削減、(3)水質汚濁防止、(4)消耗品調達上の配慮のいずれかの対策に取り組んでいる企業は79.0%で、いずれにも取り組んでいない企業(無回答も含む)は21.0%と約2割にすぎなかった。
 具体的な取組状況についてみると、省エネ策(91.1%)、ゴミの削減(94.9%)が9割台、水質汚濁防止策が約7割(70.9%)、消耗品調達上の配慮が約6割(58.2%)であった(図5)。

図5 社員食堂の管理・運営にあたっての環境対策 への取組状況



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