2013年度
国内・海外出張旅費調査[2]
国内・海外出張に関する種々の取扱い


update:2014.01.28

この記事は「労務事情」2013年11月15日号に掲載されました。

航空機の利用は,部長クラスで「エコノミークラス」が66.9%,
海外出張時の会社負担による携帯電話の携行は49.1%

当社では,ほぼ3年おきに「出張旅費に関する調査」を実施してきたが,このほど「2013年度 国内・海外出張旅費調査」を実施した。前記事で「国内出張旅費」と「海外出張旅費」の実態を紹介したが,今号では付帯調査として実施した「国内・海外出張に関する種々の取扱い」の調査結果を紹介する。
調査結果のポイントは以下のとおり。

 

調査結果のポイント

  • 国内出張の日当等の取扱い:「新幹線グリーン車」の利用許可は,部長クラス7.1%
  • 海外出張の日当等の取扱い:航空機の利用は,部長クラスで「エコノミークラス」66.9%
  • 海外旅行傷害保険:海外旅行傷害保険は75.7%が付保(加入)
  • 不測時の安否確認,危険地域への出張時の手当等:危険手当の増額等「特に対応していない」80.5%
  • ディスカウントチケット,マイレージ・サービス等の利用: 航空券等のディスカウントチケットを「利用している」45.6%
  • 円建て企業の日当・宿泊料の平均支給額は,北米地域で,役員7,490円・18,777円,一般社員4,915円・14,361円
  • 出張旅費の削減策: 国内出張旅費は「テレビ会議やウェブツールによる代替」36.7%,海外出張旅費は「ディスカウントチケットや旅行パック利用」36.7%

 

調査要領

【調査対象】当社会員企業および上場企業3,000社
【回答企業】169社。集計企業の内訳は下表参照
【調査時期】2013年7月

 

調査結果の概要

  • 1. 国内長期出張の「減額措置規定」がある企業は36.7%。減額の開始は「31日以上」からが17.7%
  • 2. 在来特急グリーン車の利用許可は,部長クラス13.0%。新幹線グリーン車の利用許可は,部長クラス7.1%
  • 3. 海外長期出張の「減額措置規定がある」企業は26.0%。減額の開始は「1カ月」からが47.7%
  • 4. 海外出張で機中泊をした場合は,「日当は支給,宿泊料は不支給」が最も多く,48.5%
  • 5. 航空機の利用クラスは,役員は「ビジネスクラス」が33.7%,部長クラスは「エコノミークラス」66.9%
  • 6. 海外で社員が立て替えた費用の精算レートは,「外貨交換時の為替レート」が47.9%
  • 7. 海外旅行傷害保険は75.7%が付保(加入)。一般社員の平均付保金額は,治療費(傷害1,374万円,疾病893万円),死亡・後遺障害(傷害5,473万円,疾病3,773万円)
  • 8. 不測時の安否確認・緊急連絡方法として,「携帯電話を会社負担で携行させている」企業が49.1%
  • 9. 危険地域(災害,紛争等の発生地域)への出張時に,危険手当の支給や日当の増額等について,「特に対応していない」企業は80.5%
  • 10. 航空券等のディスカウントチケットを「利用している」企業は45.6%
  • 11. 近距離出張の新幹線利用を「認めていない」企業は21.9%
  • 12. 国内出張旅費の削減策は,「テレビ会議やウェブツールによる代替」36.7%,「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」33.7%。海外出張旅費の削減策は,「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」36.7%,「会社による一括管理(予約・手配等)」30.2%

 

[1]国内出張の日当等の取扱い

(1) 国内長期出張の減額措置規定の有無と減額方法

長期出張旅費は,同一地域において,引き続き,長期にわたって滞在した場合に支給される日当および宿泊料をいう。長期出張には,宿泊出張旅費(日当+宿泊料)を基準に,出張期間中のある時期から日当および宿泊料の減額措置を適用する場合がある。
国内長期出張における日当等の「減額措置規定がある」企業は36.7%,「減額措置規定がない」企業は53.3%であった。規定がある企業における減額方法は,「日当・宿泊料ともに減額する」企業は38.7%,「日当のみ減額する」が43.5%,「宿泊料のみ減額する」は11.3%であった(図表1,表1―1)。
次に,長期出張における減額措置の適用を開始する時期についてみると,「31日以上」から適用する企業が17.7%,次いで「8~9日」から適用する企業が12.9%,「15日」からが9.7%の順となっている(表1―2)

(2) グリーン車・スーパーシート等の利用許可状況

出張旅費規程上で,在来特急・新幹線のグリーン車,航空機のスーパーシート等の利用許可状況につい
て尋ねてみた。
在来特急のグリーン車利用は,役員(平取締役)に認める企業が40.2%,部長クラス13.0%,課長クラス6.5%,係長クラス3.0%,一般社員0.6%であった。「条件付きで認める」企業は,役員(平取締役)で16.0%,部長クラス18.9%,課長クラス16.6%,係長クラス13.6%,一般社員14.2%となっている(表2―1~表2―6)。
新幹線のグリーン車については,役員(平取締役)に認める企業が37.9%,部長クラスは7.1%。「条件付きで認める」企業は,役員(平取締役)で16.6%,部長クラス18.9%,課長クラス17.2%,係長クラス13.6%,一般社員14.2%となっている(表2―1~表2―6)。
航空機のスーパーシート等については,役員(平取締役)に認める企業が23.1%。「条件付きで認める」企業は,役員(平取締役)で13.6%,部長クラス11.8%,課長クラス11.2%,係長クラス9.5%,一般社員10.7%となっている(表2―1~表2―6)。

[2]海外出張の日当等の取扱い

(1) 海外長期出張の減額措置規定の有無と減額方法

続いて,海外出張が長期間にわたった場合の減額措置をみてみよう。「減額措置規定がある」企業は
26.0%,「減額措置規定がない」企業は60.9%であった。規定がある企業における減額方法は,「日当・宿泊料ともに減額する」が34.1%,「日当のみ減額する」47.7%,「宿泊料のみ減額する」15.9%(図表1,表3―1)。
長期出張における減額措置の適用を開始する時期については,「1カ月」から適用する企業が47.7%,次いで「7~14日」から適用する企業が22.7%,「1カ月超~2カ月未満」からが11.4%の順となっている(表3―2)。



(2) 機中泊をした場合の取扱い

海外出張の際は,航空機の中で宿泊するケースも少なくない。その場合の滞在費(日当,宿泊料)の取扱いをみると,「日当は支給,宿泊料は不支給」とする企業が最も多く48.5%,「日当・宿泊料ともに通常どおり支給する」15.4%,「日当は支給,宿泊料は減額支給」7.1%,「日当は不支給,機中泊料を設けている」3.6%となっている(表4)。

(3) 航空機の利用クラス基準

航空機の利用クラス基準について,出張旅費規程等でどう定められているかをみると,役員は,「ビジネスクラス」33.7%,「エコノミークラス」29.0%,「ファーストクラス」3.0%。部長クラスは,「ビジネスクラス」7.7%,「エコノミークラス」66.9%。課長クラスは,「ビジネスクラス」2.4%,「エコノミークラス」73.4%。係長クラスは,「ビジネスクラス」1.2%,「エコノミークラス」74.6%。一般社員は,ビジネスクラス」1.2%,「エコノミークラス」76.9%であった(図表2,表5)。

(4) 社員が立て替えた費用の精算レート

海外出張中に社員が立て替えた費用を帰国後に精算する場合の精算レートを尋ねたところ,「外貨交換時の為替レート」が47.9%,「社内レート」12.4%などとなっている(表6)。

[3]海外旅行傷害保険

(1) 旅行傷害保険の付保(加入)状況

海外出張中の病気や負傷に備えて,社員を受取人とする海外旅行傷害保険を付保する企業も多い。
そこで,その付保状況をみると,「付保している」75.7%,「付保していない」16.6%となっている(図表3,表7)。
付保対象者は「出張者全員」が92.6%。付保している保険項目(複数回答)は,「傷害」84.4%,「疾病」77.3%,所持品の破損や盗難に関する「携行品損害」は51.6%,病気や負傷,事故等の際に家族が現地に赴く場合等に支払われる「救援者費用」49.2%,他人に損害を与えた場合の「賠償責任」が49.2%となっている(表7)。

(2) 傷害保険の付保金額(平均値)

海外旅行傷害保険は,傷害と疾病とに区分して付保金額が設定されている。それぞれの治療費と死亡・後遺障害に対する付保金額を尋ねてみた。
治療費の平均付保金額をみると,傷害保険は部長クラス1,421万円~一般社員で1,374万円,疾病保険は部長クラス915万円~一般社員893万円。死亡・後遺障害の平均付保金額は,傷害保険が部長クラス5,866万円~一般社員5,473万円,疾病保険は,部長クラス3,962万円~一般社員3,773万円(表8~表11―2)。
傷害・疾病以外の付保額最頻値は,「携行品損害」50万円,「救援者費用」400万円,「賠償責任」10,000万円などとなっている(表12)。

(3)  危険度の高い国・地域に出張する場合の特別な保険の付保(加入)状況

風土病や紛争・テロ等の危険度の高い国・地域へ出張する場合に,特別な保険を「付保している」企業は
3.0%にとどまった(表13)。

[4]不測時の安否確認・緊急連絡方法

2013年1月にアルジェリアでテロ事件が発生するなど,海外出張中に災害や紛争等に巻き込まれる可能性もある。不測時の安否確認・緊急連絡方法としては,「携帯電話を会社負担で携行させている」企業が49.1%,「社内イントラネットによる緊急連絡体制を整備している」が11.2%などとなっている(表14)

[5]危険地域(災害,紛争等の発生地域)への出張時の手当等

次に,災害や紛争等が発生する危険地域への出張時の手当の増額等について尋ねてみた。「日当とは別に危険手当を支給している」企業は3.6%,「日当を増額する」0.6%,「特に対応していない」80.5%であった。 危険手当の支給に際しては,「30日以上の滞在」「10日以上の出張」などの条件を付けている企業があった(表15)。

[6]ディスカウントチケット,マイレージ・サービス等の利用

(1) 航空券等のディスカウントチケットの利用状況

出張旅費の削減策の一環として,航空券等のディスカウントチケットを利用する企業が増えている。回答企業では,ディスカウントチケットを「利用している」企業が45.6%,「利用していない」企業は47.3%であった。
利用している企業について,出張先や出張スケジュールの確定度合い,職位等による具体的な運用ルールの規定の有無を尋ねたところ,「定めていない」企業は75.3%であった(図表4,表16)。

(2)  マイレージ・サービス等の取扱いに関する規定の有無

出張に際して航空機を利用した場合に,利用者にマイレージ・サービスが付いたり,ビジネスホテルの宿泊に際して,利用者にキャッシュバック・サービスが付く場合などがある。
そこで,マイレージやキャッシュバック・サービスの取扱いに関する規定の有無を尋ねたところ,「規定がある」企業は0.6%,「規定がない」は93.5%であり,9割以上の企業が取扱いを規定していなかった(表17)。

(3) 近距離出張に際しての新幹線利用の許可状況

交通手段の発達に伴い,出張旅費の削減策として新幹線利用の見直しを行う企業もある。特に近距離出張の場合は,移動手段を在来線で代替することも可能になっている。
回答企業では,「近距離出張の新幹線利用は認めていない」企業は21.9%,「新幹線利用の制限は設けていない」企業が62.7%であった(表17)。

[7]出張旅費の削減策

最後に,出張旅費の削減策を国内出張・海外出張に分けて聞いてみた(複数回答)。
国内出張旅費の削減策については,「テレビ会議やウェブツールによる代替」36.7%,「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」33.7%。海外出張旅費の削減策については,「ディスカウントチケットや旅行パックの利用」36.7%,「会社による一括管理(予約・手配等)30.2%などが多かった(図表5,表18~19)。

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