2013年度
国内・海外出張旅費調査[1]
海外出張旅費


update:2014.01.28

この記事は「労務事情」2013年11月1日号に掲載されました。

一般社員の宿泊料,北米地域で14,361円
初航時支度料は62,301円

当社では,これまで,ほぼ3年おきに「出張旅費に関する調査」を実施してきたが,このほど「2013年度国内・海外出張旅費調査」を実施し,169社から回答をいただいた。今号で国内・海外出張旅費の実態について,次号では出張旅費の削減策や出張に関する実務上の取扱い等について調査結果を紹介する。
今回は、海外出張旅費の実態について概観したい。

 

調査結果のポイント

  • 初航時に支度料を「支給する」企業は59.2%
  • 初航時支度料の平均支給額は,北米地域で,役員85,765円,課長クラス69,098円,一般社員62,301円
  • 再渡航時にも支度料を「支給する」企業は56.0%
  • 滞在費の支払通貨は,「円建て」とする企業が52.1%,「ドル建て」とする企業が25.4%
  • 滞在費の支給方式は,「日当と宿泊料の2本立て」とする企業が69.2%,「日当と宿泊料と食事代の3本立て」とする企業が14.8%
  • 円建て企業の日当・宿泊料の平均支給額は,北米地域で,役員7,490円・18,777円,一般社員4,915円・14,361円
  • 円建て企業の滞在費の平均支給額は,北米地域で,役員26,673円,課長クラス21,795円,一般社員20,040円

 

調査要領

【調査対象】当社会員企業および上場企業3,000社
【回答企業】169社。集計企業の内訳は下表参照
【調査時期】2013年7月

I. 支度料等の取扱い

[1]初航時支度料の支給状況 ―「支給する」企業は59.2%

まず,初航時における支度料支給の有無をみてみる。
支度料は,初航時において,出張者が旅装や日用品等に関する準備費用に充てるために支給されるもので,旧来,海外で自社の社員としての体面を保つための必要経費としての側面も持ってきたといえる。本調査では,「支給する」企業が59.2%,「支給しない」企業が29.0%となっている(図表1,表1)。

[2]支度料の使途 ―使途を特定しない企業が49.0%

支度料を支給する企業について,支度料の使途をみると,「使途は特定していない」が49.0%,次いで「旅装や身の回り品の調達費用」が35.0%,「パスポート取得費用」が24.0%となっている。
なお,「その他」(3.0%)の支度料の使途としては,予防接種の費用や査証手数料,空港使用料への充当などがあげられている(表1)。

[3]初航時における支度料の格差 ―「役職・資格」による格差あり32.0%

初航時に支度料を支給する企業について,役職・資格別,出張地域別,出張期間別に支度料の実態をみると,「役職・資格」によって支度料に格差を設けている企業は32.0%となっている。
 以下,「出張期間」による格差のある企業が24.0%,「出張地域」による格差のある企業は16.0%,となっている(図表2,表2)。
 格差の区分数をみると,「役職・資格」別の区分数は,「2区分」21.9%,「3区分」「4区分」がそれぞれ25.0%。「出張地域」別の区分数は,「2区分」62.5%,「3区分」31.3%。「出張期間」別の区分数は,「2区分」50.0%,「3区分」「4区分」がそれぞれ20.8%などとなっている(表2)。



[4]初航時支度料の平均支給額 ―一般社員で北米62,301円,中国58,620円,東南アジア60,452円

初航時における支度料の平均支給額について,本調査では,役員(平取締役),部長クラス,課長クラス,係長クラス,一般社員という5区分の役職・資格について,9地域(韓国・台湾,中国,東南アジア,中近東,欧州,北米,中南米,大洋州,アフリカ)に分けて集計した。
地域別,役職・資格別に初航時支度料をみると,北米で役員85,765円,部長クラス71,945円,課長クラス69,098円,係長クラス64,438円,一般社員62,301円。中国では役員81,530円,部長クラス67,990円,課長クラス65,063円,係長クラス61,746円,一般社員58,620円。東南アジアでは役員82,038円,部長クラス69,247円,課長クラス65,821円,係長クラス61,893円,一般社員60,452円(表8)。
役職・資格別の支度料の格差について,一般社員を100とした指数が大きいものをみると,役員で中南米,欧州への出張時の支度金が144.0,139.6,部長クラスで中南米への出張時が126.4,課長クラスも中南米への出張時が121.0などとなっている(図表5)。
一方,地域別の格差を北米地域を100とした指数でみると,役員では105前後,課長クラスで131前後,一般社員で150前後となっている(図表5)。

[5]再渡航時の支度料の取扱い ―一 再渡航時の支度料を支給する企業は56.0%

支度料は先にみたとおり,初航時における意味合いが大きくなる。そのため,再渡航時の支度料については,一定期間後に再び海外出張する際に支度料を減額して支給する企業や,一定期間内は減額し,それ以降は初航時と同額支給とする企業などがみられる。
本調査では,初航時に支度料を支給している企業に対して,再渡航時の支度料の取扱いを尋ねたところ,再渡航時にも支給する企業は56.0%,支給しない企業は37.0%となっている(表3)。
支給方法をみると,「初航時後の一定期間は減額し,その後同額支給」33.9%,「初航時後の一定期間は不支給,その後減額支給」21.4%,「初航時後の期間に関係なく同額支給」「初航時後の期間に関係なく減額支給」はそれぞれ7.1%などとなっている(表3)。

[6]海外旅行傷害保険の付保(加入)状況 ―一 付保している企業は75.7%

社員の海外出張に際して,不測の事態に備えて海外旅行傷害保険に付保(加入)する企業も多い。回答企業では,海外旅行傷害保険を「付保している」企業は75.7%,「付保していない」企業は16.6%であった(表7)。
なお,この海外旅行傷害保険の具体的な付保金額(治療費,死亡・後遺障害,携行品,救援者費用,賠
償責任)については,次号で紹介する。


 

II. 滞在費(日当,宿泊料等)

海外出張における滞在費(日当,宿泊料等)の支給形態は,基本的には国内出張と同様に日当と宿泊料で構成されるが,それ以外に食事代や雑費を支給したり,宿泊料を実費支給とする場合もある。
本調査では,日当,宿泊料および食事代,雑費等を加えた滞在費の集計に際して,実費支給とする場合は除外して集計した。

[1]滞在費(日当,宿泊料等)の取扱い等

(1) 滞在費の支払通貨

「円建て」が52.1%,「ドル建て」が25.4% 滞在費の支払通貨については,「円建て」が52.1%,次いで「ドル建て」が25.4%,「各国通貨による」が7.7%となっている。
なお,「その他」(6.5%)としては,日当は円建て,宿泊料はドル建てとしている例などがあった。
支払通貨の採用理由については,ドル建ての場合は「基軸通貨であるため」,円建ての場合は「為替レートの影響を避けるため」等が主なものとなっている(図表3,表4)。

(2) 滞在費の支給方式と食事代(補助)の取扱い

 「日当+宿泊料の2本立て」が69.2%
滞在費(日当,宿泊料等)の支給方式をみると,「日当+宿泊料の2本立て」とする企業が69.2%である。
次いで,「日当+宿泊料+食事代の3本立て」とする企業が14.8%,日当,宿泊料,食事代等の区別をせず,すべてを含めた「滞在費一括で支給」とする企業が4.1%であった(表5)。
次に,食事代(補助)の取扱いについて,滞在費の支給方式を「日当+宿泊料の2本立て」としている企業に尋ねたところ,「日当に食事代(補助)を含めている」が54.7%,次いで,日当,宿泊料には「食事代(補助)を含めていない」が21.4%,「宿泊料に食事代(補助)を含めている」が10.3%となっている(表5)。

(3) 滞在費の格差の有無と設定方法

  「 格差あり」の企業では,「職階・資格と出張地域
による格差」が59.7%
滞在費について,職階・資格や出張地域による格差の有無をみると,「格差あり」とする企業が73.4%,「格差なし(全員・全地域同額支給)」とする企業は18.3%
であった(表6)。
格差を設けている企業について,格差の設定方法をみると,「職階・資格と出張地域による格差」が59.7%,次いで,「職階・資格による格差」が25.8%で,「出張地域による格差」は10.5%と少ない(図表4,表6)。

[2]滞在費(日当,宿泊料等)の平均支給額

海外出張の滞在費は,表5のとおり,「日当+ 宿泊料」(69.2%)と「日当+ 宿泊料+ 食事代」(14.8%)で大半を占めている。本調査では,(1)日当,(2)宿泊料,(3)滞在費(日当+宿泊料+食事代+雑費)の3項目について平均額を算出した。
なお,これらの企業では宿泊料について実費とする企業が多くみられる。そのため,宿泊料,食事代,雑費を実費支給とする企業は対象から除外して集計した。また,出張地域については,企業によってさまざまな区分を設定しているため,調査に際してはあらかじめ下記の11地域に区分し,代表的な都市または国を指定したうえで回答を得た。11地域と都市・国は以下のとおりである。

  • 1. 韓国,台湾地域(ソウル,台北等)
  • 2. 中国地域(北京,上海,香港等)
  • 3. 東南アジア地域(マニラ,バンコク,シンガポール等)
  • 4. 中近東地域(クウェート,サウジアラビア,バーレーン,オマーン等)
  • 5. 欧州地域(ロンドン,パリ,ベルリン等)
  • 6. 北米地域(ニューヨーク,ロサンゼルス,トロント等)
  • 7. 中南米地域(メキシコシティ,サンパウロ,パナマ等)
  • 8. 大洋州地域(シドニー,メルボルン,ウェリントン等)
  • 9.アフリカ地域(カイロ,ナイロビ,ケープタウン等)
  • 10. ロシア地域(モスクワ,サンクトペテルブルク等)
  • 11. インド地域(ニューデリー,カルカッタ等)

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